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依存について考える その2

2018/09/02
 みなさん こんにちは。前回の話をまとめてから、今回の話に入っていきましょう。前回はどの人も依存を持っていること。(病的な)依存症と依存は質的に異なること。(病的でない)依存から依存症にならないためには、まず脳のメカニズムを理解すべき―という話でした。

 では、依存と脳について考えてみましょう。
 人が心地良さを強く感じると、ドーパミンが大量に放出されます。ある行動をしたときに心地良かった場合、ドーパミンの作用等により心地良さと行動が関連あるものと、脳に刷り込まれていくのです。これにより、行動による快感に脳が強く反応してしまうようになります。やればやるほど、より一層はまってしまうという悪循環におちいります。これが、依存症形成のメカニズムです。(非常に大雑把な説明であることをご理解ください)
 どのように依存が始まり、依存症になるのかをみてみましょう。大まかに5つの段階に分けてみます。

1.試しにやってみる
 アルコール依存症を例に取りましょう。アルコール依存症になるにはそもそもクリアすべき条件があります。①お酒を飲める体質であること②飲める(飲まざるをえない)環境にいる③飲む回数が増えるきっかけがある ―この3つが大量飲酒の要因といえます。

2.稀だったのが日常的にになる
 この段階では、まだやめたいときにやめられます。しかし、時間やお金をそれに取られてしまい、悪い点が徐々にあらわれる段階でもあります。

3.時々、危険なレベルに達する
 行動にはまり始め、通常のレベルではもはや満足できなくなってしまいます。ついには、その人自身や周りの人に、目に見える悪影響が出始めます。本人は分かっていますが、心地良さや快感に負けてしまうことが増えてきます。

4.依存症形成
 その行動が増え、コントロールできなくなり始めます。現実逃避傾向が増し、学校や仕事、家事等の社会的役割を放棄し始めます。さらには、友人らとの交流など元々楽しかったことですらも回避するようになります。周りがそれを指摘すると、逆上するようになります。

5.信用及び生活基盤の崩壊
 行動のコントロールはもはやできず、他者もそれを防ぐことができません。精神面だけではなく、体にも重大な影響があらわれはじめ、取り返しのつかない状況になります。その人が今まで築いてきた社会的信用は無くなり、経済的にも生活は困窮しはじめます。周りから人が去っていきます。

 3のレベルであれば、時間的にも経済的にもそれほど負担なく、医学的な方法で回復に向かう道筋をつけることができると思います。(それでも、短期間での治癒は難しいと思います)
 次回さらに詳しくみていきましょう。
 参考文献:Internet Addiction:K.S.Young, C.Nabuco、 白川教人氏・K.T.Frankらの著作物等
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