うつ病になりやすい人の性格的特徴
2016/06/08
いわゆる典型的なうつ病は、気分が沈み何事にも興味がなくなるのが大きな特徴ですが、一般的に、まじめで几帳面な人、完璧主義者、責任感が強くて何事にも一生懸命取り組む人ほど、むしろうつ病を発症させやすいと言われています。
責任感や正義感が強く、几帳面で仕事熱心、生真面目な性格を有する人は、社会において、むしろ周囲からは、尊敬の眼差しが向けられやすい反面、思い込みが激しく、頭の切り替えがなかなか出来なかったり、何事も徹底的にやらなければ気がすまず、ごまかしやおおざっぱなことを嫌ってしまう、といったような側面を有していることが多く、結果、ここから心身にストレスを蓄積させていき、過労からうつ状態に陥りやすい、というふうに考えられています。
精神医学的には、うつ病の病前性格の一つとして数えられる、『執着気質』というふうに呼ばれたりもします。
又、感情表現が極度に苦手で、頭では考えがあっても口にうまく出せないような人も注意が必要です。人から何かを頼まれても断れないとか、言いたいことがあっても、常に対立を避け、自分が我慢や遠慮してしまいやすい性格であるということは、何事においても自分一人で背負い込んでいってしまいやすく、このような場合も結果として、心身ともに疲弊しやすくうつ状態に陥りやすい、というふうに考えられています。
このように保守的で秩序を愛し、人との円満な関係を好み、人と争うのを嫌い、律儀で誠実、責任感が強く、几帳面で仕事熱心。周囲からも、いわゆる『よい人』、と呼ばれるような性格的特徴のことを、精神医学的には、『メランコリー親和型気質』というふうに呼ばれたりもします。
他にも、自意識過剰で周囲の目が気になりやすい人や、精神医学的には『循環気質』といって、とても元気な状態(オン)と、極端に物静かな状態(オフ)がはっきりしている傾向を有し、他人から見ればまるで別人のような側面をあわせ持つ人も注意が必要です。
まじめで完璧主義の人は、頑張り過ぎて自分で気づいていないことが多いので、適度な息抜きや手抜き、といったような考えも持ちながら、やっていくことが大切です。もちろん、真面目で責任感が強いことはとてもよい事ですが、うつ病を未然に防いでいく、という観点からいえば、何事もほどほどの中庸が大切、というふうにいえるのではないでしょうか。
| HOME |