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物忘れについて その3

2015/05/21
みなさんこんにちわ。
青い空、輝く太陽、白い雲、そして緑が濃い季節になりました。BBQには最高のシーズンですね。

では、今回も前回に引き続き「ものわすれ」というテーマでお話させていただきます。
 
  前回は、病的な物忘れとはどんな状態を指すのかをお伝えし、治療により生活の質をより長く維持可能となりつつある旨をお伝えしました。では、今回はさらに具体的に、どのようにすれば良いかお伝えしましょう。

病的な物忘れの代表として、アルツハイマー型認知症が挙げられます。アルツハイマー型認知症の患者様の脳では、アセチルコリンという物質が減ってきていることがわかっています。
アセチルコリンのが低下すると、記憶力・判断力・実行機能などに障害を来します。これが、いわゆるコリン仮説です。そして、脳のアセチルコリンを増やす薬が抗認知症薬として使用されています。商品名としてアリセプト、レミニール、イクセロンなどがあります。

抗認知症薬はこれだけではありません。アセチルコリン以外の物質に注目した薬があります。その物質とはグルタミン酸です。グルタミン酸は脳で神経信号を伝えていく、神経伝達物質の1つです。グルタミン酸は必要な物質ですが、これにより神経細胞が異常に興奮してしまうと、神経細胞が死んでしまうことが研究でわかっています。この現象をブロックする薬も、抗認知症薬として使用されています。

これら4種類を認知症の患者様の状態や段階によって使い分けていくことで、生活の質をある程度維持していくことが可能となりつつあります。(注;ある程度ですので、誤解されないようにお願い致します)

認知症治療は、分子生物学、神経病理学、精神病理学など複数の分野にまたがる高度な専門性を要求される領域です。専門的なトレーニングを受けた医師の下で治療を受けることを強くお勧めします。
09:09 未分類
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