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診断名について

2015/02/23
みなさんこんにちは。精神科医の蓑和田です。

今回は精神科・心療内科での診断名について、少し考えてみます。

 精神科や心療内科では、同じ病気や同じ状態に対して、複数の病名がつくことがあります。
これは珍しいことではありません。いくつもの病名がつくのですが、意味しているのは1つということがありうるのです。
 例えば、ノイローゼを考えてみましょう。日常生活でも比較的使われることが多い言葉です。
なんとなくイメージが湧くのではないでしょうか。それに近い意味のものを漢字で表記すると 
神経症 となります。これを現代の医学会で標準的とされている病名で表記すると 不安障害 と
なります。ここまで 3つ 病名が出てきました。
 私は心の医学が曖昧だということを言いたいわけではありません。そうではなくて、病気の本質を見抜くには、表面的な診断名だけにとらわれてはいけないと言いたいのです。

 こころ=脳 と言ってよいでしょう。脳はどの程度解明されているでしょうか?
脳細胞の数は、千数百億個あると言われています。細胞同士のつなぎ目をシナプスといいますが、合計すると110兆以上あるといわれています。ネットワークから精神活動が生まれてきます。
脳のネットワークは膨大にあります。現在機能が解明されつつありますが、大変限定的であることは言うまでもありまん。

 精神活動という大変高度なものを把握するためには、多面的に重層的にみていく他ありません。
患者さんの症状を様々な切り口でみていき、総合的に判断して、吟味に吟味を重ねて初めて治療法が見えてきます。
 医師がどのような観点で今の治療法を選んでいるか、患者さんに伝わらないこともあるかもしれません。
医師から病名を聞いてもピンと来ない時もあるでしょう。そのような時、さらに質問してみましょう。
きっと今の治療法に至る過程を教えてくれるはずです。
 本質を共有することで、さらに治療が深まるはずです。
16:33 未分類
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