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高脂血症について

2015/02/27
みなさんこんにちは。
 
 高脂血症という言葉をお聞きになられたことがあると思います。
 以前は中性脂肪高値、コレステロール値高値を「高脂血症」とひとくくりにされていました。近年では中性脂肪高値を高脂血症、コレステロール値高値を高コレステロール血症として表現しています。
 なぜ中性脂肪が高くなってしまうのでしょうか?多くの場合食事が原因です。ですので、食事内容の管理で中性脂肪を減らすことが可能です。
 
 では、コレステロールについて、考えてみましょう。コレステロールはすべてが悪者なわけではありません。じつは良い働きをするコレステロールも存在するのです。この良い働きのコレステロールは、血管の動脈硬化を防ぎ、心血管系の病気のリスクを大幅に減らしてくれます。体にとってなくてはならない存在と言っても良いでしょう。

 良い働きをするコレステロールを善玉コレステロールとも言われいます。医学名称は HDLコレステロールです。HDLコレステロールが高いことによる高コレステロール血症は、実は治療対象ではありません。問題は悪玉コレステロールである LDLコレステロールなのです。
 
 次回は、このLDLコレステロールが高い場合の対処方法をお伝えします。

17:59 未分類

気持ちの波について①

2015/02/25
みなさんこんにちは。
まだまだ寒いですね。しかし、昼間の日差しに温もりを感じる日も増えてきました。これから三寒四温を経て、ようやく春が来ますね。
人間の気持ちも、季節に似ている所があります。常に同じ気分の人はいません。気分に波はつきものです。しかし、気分の波が大きすぎると話は違ってきます。
休み明けの日の朝や長期連休の最終日に憂うつになることは普通のことでしょう。しかし通勤や通学できないレベルの憂うつさとなると、これは普通ではありません。この状態が続くと休職や休学となってしまい、人生設計が大幅に狂ってきてしまいます。
逆に、ハイな状態というのも非常にまずい状況につながることが多いです。ハイな状態が長引きますと気がどんどん大きくなります。気が大きくなると冷静な時では絶対しないことをしてしまう傾向にあります。例えば、賭け事で多額の金を賭けてしまったり、通常買わないような高額の物(例えば、高級腕時計やブランドバッグ、高級車)をローンで衝動買いしてしまったり・・・。後の人生の相当長い期間を借金返済に使わざるをえなくなってしまいます。
ご家族や周りの方が、あなたの気分について指摘し始めたら、それを真摯に受け止めたほうが良いでしょう。人の欠点を指摘するというのは、どんなに親しくても嫌なものです。それをあえてしてくれるのですから。現代の医学をもってすれば、100%とは言えませんが気分の波を小さいものにすることができます。早めにそれができれば、失うものも少なくて済みます。ぜひ一歩を踏み出してみてください。
17:46 未分類

診断名について

2015/02/23
みなさんこんにちは。精神科医の蓑和田です。

今回は精神科・心療内科での診断名について、少し考えてみます。

 精神科や心療内科では、同じ病気や同じ状態に対して、複数の病名がつくことがあります。
これは珍しいことではありません。いくつもの病名がつくのですが、意味しているのは1つということがありうるのです。
 例えば、ノイローゼを考えてみましょう。日常生活でも比較的使われることが多い言葉です。
なんとなくイメージが湧くのではないでしょうか。それに近い意味のものを漢字で表記すると 
神経症 となります。これを現代の医学会で標準的とされている病名で表記すると 不安障害 と
なります。ここまで 3つ 病名が出てきました。
 私は心の医学が曖昧だということを言いたいわけではありません。そうではなくて、病気の本質を見抜くには、表面的な診断名だけにとらわれてはいけないと言いたいのです。

 こころ=脳 と言ってよいでしょう。脳はどの程度解明されているでしょうか?
脳細胞の数は、千数百億個あると言われています。細胞同士のつなぎ目をシナプスといいますが、合計すると110兆以上あるといわれています。ネットワークから精神活動が生まれてきます。
脳のネットワークは膨大にあります。現在機能が解明されつつありますが、大変限定的であることは言うまでもありまん。

 精神活動という大変高度なものを把握するためには、多面的に重層的にみていく他ありません。
患者さんの症状を様々な切り口でみていき、総合的に判断して、吟味に吟味を重ねて初めて治療法が見えてきます。
 医師がどのような観点で今の治療法を選んでいるか、患者さんに伝わらないこともあるかもしれません。
医師から病名を聞いてもピンと来ない時もあるでしょう。そのような時、さらに質問してみましょう。
きっと今の治療法に至る過程を教えてくれるはずです。
 本質を共有することで、さらに治療が深まるはずです。
16:33 未分類

逆流性食道炎について

2015/02/20
みなさんこんにちは。

今回は逆流性食道炎についてお伝えします。

「逆流性食道炎」
テレビコマーシャルなどでも度々目にするようになりました。
しかし、本当はどういった病気なのかよくわからない方も少なくないかと思います。
 逆流性食道炎とは胃から逆流してきた胃酸で食道があれてしまい、胸焼けを起こしてしまう病気です。
大変頻度の高い病気です。では、なぜ逆流してしまうのでしょうか?
元々、胃から食道へは胃酸が逆流しないような仕組みが備わっています。
食道と胃の間に括約筋という筋肉があり、それにより逆流しないようになっています。
しかし、筋肉は年齢とともに弱くなっていきます。
弱くなると、逆流を防ぐことができなくなってしまいます。
そのため、食道へ胃酸が逆流してしまい、食道が荒れてしまうのです。
 加齢以外の逆流性食道炎になる原因として、食べてすぐ横になる、ゲップが多いなどが挙げられます。
逆流性食道炎は治療法が確立している病気です。我慢せず、治療を早くスタートできると良いでしょう。
13:24 未分類

対人関係とストレスについて

2015/02/12
みなさんこんにちわ。
今回は対人関係とストレスというテーマでお話ししたいと思います。

ストレスの種類として常に上位に挙げられるのが対人関係からくるストレスです。
人間は自分一人だけの考え方や振る舞いのみでは存在することができません。
生まれて死ぬまで、生きていく限り他者とか関わらざるをえない生き物です。
現代社会において、対人関係からは決して逃げることは出来ないのです。
ではどうしたら対人関係からくるストレスを軽減できるのか。
それについて考えていきましょう。

以下に対人ストレスを抱きやすくする主な場面や状況を挙げてみます。

・言いたいことを言えず、常にわだかまりを抱えてしまう。
・本当は周りとうまくやりたいのに対人トラブルがなぜか多く起きてしまう。その結果、
人間関係をうまく構築できない。
・短期間であれば良好な人間関係を結べるのに、長期間となると破綻してしまう。
・人に話しかけることや人から話しかけられることに、何故か大きな恐怖を感じてしまう。
・人を信用することができず、マイナスが多いのを承知で、1人でいることを選んでしまう。
(結果、非常に困ってしまうことが多い)

みなさん頭では分かっていらしゃるのです。人間関係がいいに越したことはないと。
対人関係を完全に避けるなんて不可能だと。
また「人間関係をどのようにしたらよくしていけるのか」についてゆっくりと考える機会というものは多くはなかったのではないでしょうか。
そして助言をしてくれる人もいなかったのではないでしょうか。

実は精神医療において、対人関係を良好なものにしていく治療は日々進歩しています。
ちょっとした工夫やトレーニングで、生きづらさを克服する一歩を踏み出すことが可能になってきているのです。

では次回、それについてお伝えしたいと思います。
11:49 未分類

こころの治療~薬物療法以外のものについて~

2015/02/09
みなさん、こんにちわ。
今日はこころの治療その中でも薬物療法以外について取り上げてみます。

心の治療は大別して3つに分けられます。

1.  薬物療法
2.  心理療法
3.  作業療法
この3つの中で、最近大きく重要度が増してきたものがあります。どれでしょうか。
                       ・・・・・
 それは3.の作業療法です。この5年位で、作業療法が脳機能の生産性、脳の創造性、
順応性など脳の機能全般に向上に寄与することが明らかとなりました。
 作業療法をこころの治療に取り入れたのが精神科デイケアです。病気の段階にもよりますが、
ある段階においては薬と同等以上の効果があると言ってもいいでしょう。
より早く良くなっていくために、薬以外の治療法、その中でも精神科デイケアに目を向けていただけると良いと思います。

デイケアに参加されますと大きく3つの段階に進まれます。

1.  こころの状態が改善し、能力が高まり卒業する方
2.  ある程度改善し、現状維持となる方
3.  ある程度改善した後、状態が悪くなってしまう方

2.の方はデイケアを続けることで1.に向かわれる方が多いです。
また疾患によっては、デイケアを利用しながら現状を維持していくことが治療上の
ゴールとなる場合もあります。3.の場合は家族、医師、作業療法士、精神保健福祉士らと連携を取りながら、今後の方向を慎重に検討していく必要があります。
 薬物に過度に依存しない治療をめざしています。当法人のデイケアでは様々なプログラムを提供しています。
継続して取り組んでいくことで、より多くの患者さんがよくなっていただけたらと思います。
15:53 未分類
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